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遺言を書き換えること

 遺言はいつでも書き換えることができます(民法第1022条)。この書換について、同じ方式でしないといけないと誤解されている方が多いように思いますが、民法の定める方式に従っている限り、遺言の書換はどのような方式で行っても構いません。ただし、公正証書遺言を自筆証書遺言で書き換えるということは、種々の誤解を生じるおそれがありますし、遺言の検認という作業が別途必要となるという煩雑さもありますので、あまりお勧めできません(自筆証書遺言は、簡単に作成できますから、費用対効果という点では、ちょっとした補足のようなことについて自筆証書遺言で修正を加えておくということはやってもいいかも知れませんが、そのような場合だけに留めておいた方が安心でしょう。)。なお、公正証書を作成している時間がないときなどは危急時遺言をするしか方法はありませんが、その方法で修正が可能だということは覚えておいた方がいいでしょう。

 絶対にやらなければならないのは、最高裁判例や法律改正などに伴って、遺言に書かれているとおりの効果が認められないということが明らかになった場合に対応する修正としての書換です。最近で言いますと、平成23年2月22日の最高裁判例によって、「遺産を相続させるものとされた推定相続人が遺言者の死亡以前に死亡した場合には、遺言者が、当該推定相続人の代襲者等に遺産を相続させる旨の意思を有していたとみるべき特段の事情のない限り、その効力を生じない」とされましたので、相続を予定されていた方が遺言を書く方よりも先にお亡くなりになった場合のことについて書いていない遺言は、早急に書き直す必要があります。

 弁護士が関わって作成された遺言の場合、受け取る方が高齢であればそれに対応した条項を書いておくのが普通です。私の場合、遺言者の兄弟が遺産を受け取ることになっている案件では必ずこの問題に対応する条項を入れておくようにしていましたので、私の事務所が作成に関与した遺言については、上記のような書換が必要となるものはありませんでしたが、法律相談などでこの判例に対応していない遺言書で困っておられる方は何名かおられました。

 一番多い書き換えは、条件が変わったことによる内容の変更です。遺言作成後に紛争が生じて相続させるとか、遺言で渡すことになっていた不動産を処分せざるを得なくなって処分した場合など事情が大きく変更した場合には、書き換えた方がいいでしょう。

 なお、書き換えた場合、元の遺言はどうなるかということですが、前の遺言を生かすこともできますが、公正証書遺言の場合には、前の遺言を全部取り消して(法的には撤回と言います)、新たに作成することが多いようです。簡単な遺言なら前の遺言を生かしていても、混乱が生じにくいのですが、複雑な内容の遺言の場合、2つの遺言の間で矛盾が生じたりするおそれがありますから、全部取り消して、新たに遺言を書いた方がいいと思います。このように書き換えた場合、前の遺言は、新しい遺言と内容が異なる限り無効となりますが、前に遺言を書いたということとその内容は、遺言の有効無効を争ったり遺言の内容などを争う紛争が生じた場合には極めて重要な証拠となります。

弁護士 白 浜 徹 朗
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京都に法律事務所を構える弁護士法人白浜法律事務所です。
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